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互換ちゃんば (模型用真空脱泡チャンバー)

真空脱泡の意義

こんにちは、互換屋です。

互換屋では、真空脱泡に利用する真空チャンバー「互換ちゃんば」を販売していますが、模型複製のシリコン型製作過程について、真空脱泡をする、しないで、実際どの位の違いが出るのかというのを一目瞭然、見れば分かる、という画像です。
(イベント会場にお越しいただいた方は、実際のシリコン型現物を展示しているので見た事があると思いますが。)

ガレージキットなどのレジンキャスト複製作業を行う場合、主に、下記工程で真空脱泡を行います。

1.型用のシリコン自体を予備脱泡する時。
2.粘土埋めした原型にシリコンを流し込む時。
3.複製物用のレジンキャスト自体を予備脱泡する時。
4.シリコン型にレジンキャストを流し込む時。

1と3のそれぞれの材料自体を脱泡する事もかなり重要です。この脱泡は、泡を抜くというのが目的の作業では無く、水分を飛ばす(蒸発させる)というのが目的の作業です。

シリコンの場合、硬化剤を混ぜた後空気中の水分と反応して硬化していく為、もし最初から湿気を多く含んでいると硬化剤を混ぜた直後から反応が進みやすくなり、本来の脱泡作業で脱泡しきれない前に固まってしまう。(脱泡しにくくなる)という事が考えられますので、事前に水分を飛ばしておくことで、ゆっくり硬化するようになり気泡が抜けやすくなる方向に働きます。

レジンキャストの場合、一般的に主剤と硬化剤を混合した後、2~3分で硬化し始めますが、硬化が進む際にかなりの高温で発熱します。
その発熱の際に、主剤や硬化剤に湿気(水分)を含んでいると、その発熱で水分が気化(蒸発)しますので、レジン硬化の途中で内部に微細な気泡が大量に発生しやすくなります。その為、硬化剤混合前に、主剤、硬化剤、それぞれに真空をかけしっかりと脱泡します。

材料に含まれる湿気を取り除いておく。というのが非常に重要です。

まず、互換ちゃんば内に、シリコンを流し込む粘土埋めが終わった型枠をシリコンを流し込める状態にしてセットしておきます。
より短時間で真空に到達させる為に、余計なスペースには詰め物などをしてチャンバー内の空気を予め減らしておくようにします。

予備脱泡したシリコンに硬化剤を混ぜますが、この時は泡が立って空気が混ざり込んでも直ぐに脱泡するので泡は一切気にせず、しっかりと混ぜます。
個人的には容器の隅々までしっかりと5分位はかき混ぜる感じです。
混ぜ終わったら、ほぼ一回で一気にシリコンを流し込みます。特に無理抜き状態となるような原型の穴などシリコンが入りにくそうな場所がある場合は、その辺りから流し込みます。

流し込み終わったら、チャンバーのアクリル蓋を載せ、ポンプのスイッチを入れて真空引きをしていきます。
この時、最初のうちは減圧されていくと、一気にシリコン内の泡(気泡)が膨張し型枠から溢れそうになるので、溢れる直前でバルブを開けてチャンバー内の気圧をリーク(大気開放)します。
直ぐに膨張していたシリコンが縮んで元に戻りますので、また直ぐにバルブを閉じてチャンバー内を減圧していきます。

常にポンプは動かしっぱなしの状態で、膨張したシリコンが型枠から溢れないように目視しながらバルブの操作だけで、

減圧(シリコン膨張)

リーク(大気開放)

を数回~数10回程度繰り返します。

これを繰り返していくと、徐々に膨張しなくなってきます。(型枠から溢れなくなってきます)
この時、真空計の針も最初の頃よりも徐々に真空に近付いている事に気が付きます。

最終的には、真空計が完全に真空を指した状態で、シリコンが泡をはじけさせながらブクブクして溢れない状態になります。
この真空のブクブク状態を15~20分程度続けます。(真空脱泡中の状態維持)

個人的には、最後に一度完全リークして、-0.05Pa程度までの範囲で数回程度真空引きします。
最後に浮き上がってこようとしている極僅かな気泡をほんの少しだけ膨らませてシリコン液面に早く上げるイメージです。

一つの型で大量のキャスト複製はしないので、シリコンは旭化成のM8012を良く使用しますが、硬化剤は湿気の多い夏場は約1-1.5%、乾燥する冬場は1.5~2.5%程度で使っていますので、どちらも流し込んだ後は約一晩(12時間)程度は放置する感じです。

真空脱泡した物とそうでない物の違いは下記の通りです。

※写真は気泡の状態が分かりやすいように、造形村の透明シリコンで製作した型です。

●真空脱泡無し

互換ちゃんば真空脱泡無し 互換ちゃんば真空脱泡無し

型内に大量の気泡が残ったまま硬化してしまっています。※常圧注型用の割き型

●真空脱泡有り

互換ちゃんば真空脱泡有り 互換ちゃんば真空脱泡有り

 

気泡が全く無く、湯路や原型形状までクッキリと見えます。※真空脱泡して複製する割き型(プラカップ型枠)

シリコンに気泡が無いと型の充填密度が高く、キャスト複製品の離型引っ張りに強い型になります。沢山の気泡があるとキャストを離型する際に気泡自体が千切れて繋がって弱くなっていきます。

以上、ご参考まで。

-互換ちゃんば (模型用真空脱泡チャンバー)