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互換ちゃんば

互換ちゃんばの真空引きについて

こんにちは、互換屋です。

互換屋で販売中の卓上真空脱泡チャンバー「互換ちゃんば」ですが、販売から1年を過ぎ、多くの方にレジン複製など実践ご利用頂いており、有難うございます。

互換ちゃんば製品は製品化後、まだ日が浅い製品ですので、ある部分手探り的な点もございますが、1年を通し、ガレージキットイベントでWF年2回、他年2~3回、
だいたい、多い方で年間4~6回のイベント、1回100個の複製作業を想定しますと、互換ちゃんば筐体には、年間400~600回強の真空、常圧の繰り返し負荷がかかっている計算になりますが、今の所、大きな破壊や破損といった報告も無く、少しホッとしている状況でもあります。

今回は、これまでに出荷させて頂いたお客様から様々なご意見や不具合報告などを頂いており対応してきた中で、
情報が集まるにつれ、ある共通した状況が見えてきた点がありますので、記事掲載する事といたしました。

まず、「互換ちゃんば」の製品使命は、とにかく「卓上で真空状態を作る」という事です。真空に到達できない物では話になりません。
かといって、「互換ちゃんば」は模型ホビー用途製品の為、微細加工などの工業製品並みの真空状態を維持する性能などは、到底お約束できるような代物ではありません。
従って、互換屋での検査基準としては混合タイプの模型用レジンの硬化速度を十分に超える時間までを真空保持できる状態を「良品」と規定しています。

真空到達後「5分間真空状態を維持する。」です。

実際の性能としては、これまでの複数台の検証テストでは、製品個体のバラつき(シールパッキンの貼り方、シールテープの巻き方の差など)はあるものの、8~18時間の真空状態保持を確認しております。

しかしながら、お問い合わせを頂く中でよくありますのは、「真空迄あと一息が進まない」「-0.1Mpaまで1メモリ程度手前で止まる」「真空になるのに5分かかる」
などのお問い合わせが御座います。

メール等で写真などのやり取りでも解決できない場合、ご面倒をおかけしますが、当社に不具合状態のままのセット(ポンプ以外)で返送いただき、当社にて、検査を行ってまいりましたが、これまで全ての対応で製品には異状がなく、当社での検査では規定通り、真空到達後1時間程度の真空維持を確認にて「良品」と判断されております。

(これまでの主なエア漏れ、真空未到達の原因)
・アクリル蓋に貼り付けた養生フィルム等にシワがより、そのシワ部分からのエア漏れが原因。
・シール材の巻き方の不良(ネジ溝にきちんと巻かれて雄ネジ雌ネジの間が詰まっていない)。
・付属頂いたチャージホースにシールテープのカスが詰まっていた。
・チャンバー本体の排気ポート(吸気ポート)にゴミが挟まっていた。
・使用されているポンプに性能が出ていない。
・ポンプのオイルが不足している、または入れ過ぎている。(ポンプメーカー規定量になっていない)
・チャージホースを「真空引き専用のチャージホース」ではなく、一般的な「加圧エアーホース」を利用されている。
※加圧エアホースは、加圧用のホースですので用途はコンプレッサーなどに利用するものとなります。ホースの構造自体が全く異なりますので、ホースっぽい物であれば何でも良い、という訳ではありませんのでご注意ください。
また、ホース自体からエア漏れします(メーカ自体で100%エア漏れ無しは保証されていません)。
屋内配管などを厳密に行う場合は、鉄管やアルミ管などでエア配管しなければなりません。
エアホースはそういうものですので、真空などの大きな力には到底耐えられるものではありません。

(参考)
●加圧エアホース(真空引きには使用できません。コンプレッサー用です。)

 

加圧用エアホース

●真空引き用チャージホース(必ず、真空ポンプ用のチャージホースを使用してください)
長さも色々用意されているかと思います。

チャージホース

などにより、真空に到達できていないケースが殆どのようです。

また、これまでの情報から「真空到達しない」「時間がかかる」という、お問い合わせいただくお客様に共通しているのが、

ご利用されているポンプが全てBBKテクノロジーズ社の「BB-260」という機種である点です。

ポンプ側の使用方法や性能チェックなどにつきましては、ポンプメーカーの仕様、運用規定を参考いただければと思いますが、ポンプのオイルは、焼き付き防止だけではなく、ポンプ内のシールの役目もしていますので、オイル量が少ないとポンプ内部でエア漏れをして、正しく真空引きが出来ない可能性もあります。
(ポンプの性能が発揮できないと思われます)
また、オイル粘度も気温により使い分けることを推奨されているようです。

定期的なオイル交換はポンプの寿命だけでなく、性能面にも大きく影響が有りますので、ポンプメーカーの指定通りの使用方法を今一度ご確認頂ければと思います。

尚、参考までに、互換屋で使用しているポンプは下記の2種類になります。

1.BBKテクノロジーズ社 BB-240

当社では、関西60Hzエリアでの使用ですので互換ちゃんばでレジン複製をする場合、ざっくり詰め物をして、このポンプで約20~30秒程度で真空に到達します。
使用しているレジンは、殆ど硬化180秒(3分)タイプを使用していますので、
・AB混合~流し込み
・真空引き1~2回
・型取り出し加振動後放置
を、2分以内に全作業完了を目指した作業をしています。

このポンプは、BB-260と比べると、真空到達付近での発煙もかなり少ない(オイルの減りも少ない)のは魅力的ですが、スペック上、排気速度はやはりBB260の方が圧倒的に有利だと思います。

2.TASCO社 TA150YB

TA150YB仕様

互換屋では、こちらのポンプも使用しています。
BB-240と比べ、こちらのポンプは、全く発煙しません。(ポンプ本体にオイルフィルタ内蔵されています。)
この発煙しない点は、個人的には最大に気に入っているポンプです。

また、圧倒的な違いは「真空到達度」です。BB-240/260に比べ、ほぼ2倍の真空到達度のスペックを持っています。
真空到達度は、どの程度真空に近付ける能力なのか、という数値ですので、この値が小さいほど、そのポンプが作り出せる真空能力は高いと思われます。
BB-240と比べても明らかに真空計の針が-0.1Mpa付近を指してからが違います。もっと精度等級の高い真空計を使えば数値で表現できると思いますが、残念ながら「互換ちゃんば」に付属の真空計ではそこを明確に判別できる性能はありませんので、あくまでも使用感的な感覚的な話となります。

互換屋が各イベント出店の際、互換ちゃんばのデモ実演用に持参しているポンプも、このポンプです。

電源が50Hzエリアの方は、このシリーズのワンランク上のタイプでも良いかもしれませんね。

 

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