こんにちは、互換屋です。
互換屋で販売している卓上簡易脱泡チャンバー「互換ちゃんば」をご利用中のお客様から良くご質問をいただく内容についてご説明いたします。
良く頂く質問の中に「成型品はちゃんと出来ているが、時々、真空計の針が真空を指していない日がある」というものがあります。
状況を聞くと毎日連日で複製作業に使用しているけど、作業1日目は真空計の針はキッチリ-0.1Mpaを指していたけど、2日目は-0.098Mpa位でとまり完全に-0.1Mpaに届かない。しかし、3日目はまたキッチリ-0.1Mpaを指すようになった。
という具合で、真空計が故障しているのではないか?というご相談です。
結論から言うと、真空計の故障ではなく「そういう物」という事になります。
品質的に「そういう物」というのではなく、原理的に「そういう物」という事になります。つまり日によって-0.1Mpの針の指し方がバラつく、という動きが正しい動きとなります。
それを少し詳しく説明したいと思います。
「互換ちゃんば」製品に付属している真空計は、ブルドン管圧力計というものになりますが、ブルドン管圧力計は、圧力計の中で最も一般的に用いられているタイプです。 C形、スパイラル、ヘリカルなどの形状を持つ金属パイプが圧力によって変形し、その変形を指針の動きに変換することで圧力を表示します。
ブルドン管真空計の指針の動きについての特徴としては、その原理構造として「使用場所の外気圧からの差圧」を示すものです。
外気圧1013hpaの場所で、真空容器内を0paにすることで、ブルドン管真空計の指針が「-0.1Mpa」を指すという事になります。
気圧が低い日や高地で外気圧が低い地方などでは、ブルドン管真空計の指針が-0.1Mpaに達しないといったことが起こりうる。という事になります。
逆に気圧が高い日には-0.1Mpaの目盛位置を超え、さらに負圧に達する場合もあります。これらの大気圧の変化により指針状態が変化する事は、真空機器全般に生じうる事となります。
極端な話、富士山頂のように0.7気圧のところで使用すると、互換ちゃんば内部を"0pa"にできたとしても、-0.07Mpaまでしか達しない。(針が-0.1Mpaまでは到達できない)
という事を考えると、より分かりやすいのではないかと思います。
まとめると、その日の天気が晴、雨、特に台風、また、夏、冬など、高気圧、低気圧など常時発生している大気圧の変化に応じ真空計が示す結果も実際とは若干異なる。という事になります。
また、お住まいのエリアの標高(互換ちゃんばを使用する場所の標高)の違いでも、針の指し方は微妙に変わってくる場合があります。
そういう意味では、日々使っていくうちに一番真空に近い数値を示した所が、その使用環境でのMAXの数値という事を目安に作業されるのが良いかと思います。
※使用環境によって、そもそも標高の高い所だと、-0.1Mpaを指さず、-0.099Mpa止まり。という事も有り得るかもしれませんが、それは針の差し方が原理的にそのようにしか示せないだけで、チャンバー内はほぼ真空に到達しています。
互換ちゃんばの密閉度を考えても、完全真空には到底及ばないものですが、互換ちゃんばを利用して「シリコン予備脱泡」や「レジン予備脱泡」を行うという作業の有無は、真空脱泡せずに作業を行う事に比較して、結果に明らかな差が出てくることには違いありませんので、品質のクオリティを高めたい場合は、脱泡する事をお勧めします。
●実験例(ご参考)
互換屋での実験を一つ紹介しますと、透明レジンを使った実験ですが、
A剤、B剤を混ぜる前に「予備脱泡した物」と「予備脱泡してない物」をそれぞれ透明プラコップに混合撹拌後、放置し固まる様子を確認すると、反応発熱と同時に予備脱泡した物はホンの僅かだけ泡が発生しますが、予備脱泡してない物はかなりの泡が発生します。
予備脱泡した方は真空をかけた際に、レジン剤に溶け込んでいた水分が蒸発したのであろうことが分かる事象で、複製時の品質的には明らかな差が出る事は言うまでも有りません。
カラーレジンでは発泡の様子が目に見えませんが、透明レジンで実際に見てみるとその違いが明確に分かります。
その他、針の差し方を厳密に気にされる場合の真空計の取付けの注意点として、真空計設置(取付け)の向きは垂直(-0.05Mpaメモリが真上)を推奨します。
※真空計を締めて行き、斜めの状態にしない。
理由は、水平(目盛板が地面と平行)や真横(-0.05Mpaメモリが真横)などは重力により指針位置に誤差が発生する可能性が有る為です。
※とはいえ、品質に大きな影響が出たり、何かしらその重力の影響を体感できる人はほぼいないと思いますが。。。
その他、取付け時の注意点など、取り扱いについては別記事にて改めて説明したいと思います。